更新です。
同業者さんからヘルプで入庫のW220 S600です。
スターターが回らない!!で入庫です。
良く壊れるのがEZSなんですがDASで点検するとEZSは問題ありませんでした。
そんなわけでDASでどんどん調べていきます・・・と
スターターのOKシグナルが入っていませんでした。
OKシグナルはオートマのシフトモジュールやEGSで
スターターの回せる状態の時にシグナルを出します
そのシグナルがないということは単純にスターターが回せない状態を
あらわしております。
ギヤーもパーキングなのでなんでかなー?
不良個所を特定するのに再度DASを使いシフトモジュールから点検です。
シフトをP⇒R⇒Dとガチャガチャ動かしてみるとDAS上でもシフトポジションが
同じように変化します。問題なしです。
次にEGSの点検に入った途端EGSユニットにアクセスできなくなってました。
早速EGSユニットを取り外し状態チェック!!
外観からは何もわかりませんでしたがカプラーを外して納得!!
写真で分かる通りユニットのカプラー部分がATFまみれになっていました。
外したカプラーもびちゃびちゃです。
オイルがないところになぜオイルがあるのか・・
答えはミッション本体に刺さっているEGSカプラーから毛細管現象により
ATFが上に上がってきてしまうということ、なんですが・・
ベンツは結構、毛細管現象によるトラブルが多くミッション以外でもよくあります。
気を付けるのは難しいのでこまめなチェックをできるだけ専門店で行うのがベターです。
通常は新品交換がセオリーですが予算の兼ね合いで中古をチョイスしました・・
でもここで落とし穴なんですが中古のユニットはそのまま使えません。
ユニットの中に車両データーがあり、そいつが邪魔して交換しても何も変わらないんです。
当店では中古ユニット内のデーターを消滅させて修理車のデーターを入れ込むことが
可能です。
交換後無事にエンジン始動できました。
今回の修理は知識がないと遠回りをしていろんな部品を交換してしまいがちなパターンで
実際に修理に入庫した車もスターターやEZSやバッテリーや・・・・
これだけ変えたものの最終的に3万円以内で終了です。
コアな車は専門店にお願いすることが一番安く済むんだと、改めて実感できた一件でした。
今回の業者さんはオーナーさんになんて説明するのか…怖くて聞けませんでした。